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コラム 2022 / 06 / 15

「神戸液化水素荷役実証ターミナル」見学のご報告

世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」及び「水素CGS(コージェネレーションシステム)事業」サイト訪問について

2022年6月10日 梅雨晴れの中、川崎重工業水素戦略本部の皆様のご厚意により、一般社団法人カーボンニュートラル推進協議会を代表し、理事(増山壽一、吉國真一、中山厚)と阿部副事務局長にて、神戸ポートアイランドにある、液化水素荷役実証ターミナル「Hy touch 神戸」に停泊する世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」と、この液化水素を活用した水素ガスタービンでの発電および地域施設への給電、給温水事業を行うサイトを訪問させていただきました。

どれもこれも世界初の試みばかりで、2030年、2050年とカーボンニュートラルに向けた足取りが待ったなしの日本、そして世界にとっての大きな技術的なブレークスルーの誕生を体感してきました。

写真左から 中山、増山、吉國、阿部

液化水素運搬船は、カーボンニュートラル実現の切り札と期待される水素を、国境を越えて輸送し、現在の石油や天然ガスのような国際貿易財として、世界のエネルギーインフラを大きく変える起爆剤と期待されています。

現在は豪州の褐炭という石炭としてはあまり利用価値のない石炭を改質して水素を大量に生成し、これを現地にてマイナス253度の極低温にすることで、気体を液化し、この運搬船に積み替え、魔法瓶のような船で約1か月赤道を超えて日本まで水素を運んでくるのです。

現在は褐炭を活用していますが、将来的には太陽光発電や大型風力発電で生まれた余剰電力を活用して水を電気分解し大量の水素を生成した上で、日本のような需要国に大量輸送することになるでしょう。そうすれは、完全にグリーンなエネルギーとなります。

日本は石油ショック以降、エネルギーの多様化を急ぎました。

天然ガスはパイプラインで輸送するのが常識といわれる中、マイナス162度に冷却し、液化させた液化天然ガス(LNG)を、専用の輸送船を開発して輸入しようとしました。

欧米諸国などは、高いコストをかけて天然ガスを運ぶ日本を蔑みにも似た憐れみで見ていた頃から、最近はウクライナをめぐる世界のエネルギー事情の激変で、LNGは輸送の自由度を高める意義が世界的に高まっています。

こんなことを考えると、今回の「すいそ ふろんてぃあ」は、後世、水素を液化して運ぶ歴史的な技術実証船として認められることでしょう。

そしてせっかく液化して運ばれる水素を社会全体で活用するようなマーケットの醸成が急がれるのです。トヨタ MIRAIのような乗用車による活用だけでは、時間がかかりすぎます。

現在、天然ガスを燃焼させて発電しているタービンに、水素を混入そして最終的には専焼するようなタービンの開発技術の確立が求められているのです。

この実証事業を行っているのが、同じくポートアイランドのCGS実証事業です。

液化水素を大量に生産、輸送し、これまでの化石燃料に替えて大量に消費する。

そして、その時には水素価格は安くなっている、そんな社会がもうすぐ来ています。

そんなことを実感した一日でした。

今回の訪問にご尽力いただいた川崎重工業の皆様に心から感謝するとともに、今後の更なるご活躍に期待しております。

ありがとうございました。

代表理事 増山 壽一