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トピックス 2022 / 11 / 25

「i Labo水素エンジンR&Dセンター」訪問のご報告

内燃機は本当に時代遅れか!
「i Labo水素エンジンR&Dセンター(山梨県昭和町)」を訪問して

2022年11月15日(火)、i Labo株式会社の皆様のご厚意により、カーボンニュートラル推進協議会を代表し、私と中山厚理事にて、山梨県昭和町の「i Labo 水素エンジンR&Dセンター」を訪問させていただきました。

先日、日本政府から「2030年代半ばまでにガソリン車、ディーゼル車の新車販売を禁止する」という方針が発表されました。この禁止の中には、電気とガソリンを併用するハイブリッド車は対象にならないようですが、欧米の潮流はもっと早く、2030年にはなんらかの包括的かつ強力な規制が実施されようとしています。

その中で、輸送分野では新たな主流が、電気自動車になるのか、または燃料電池車になるのか、と注目されています。
しかし、電気自動車は蓄電池の性能、重量、またその素材にレアメタルを多く使うことからの環境負荷や経済安全保障上の懸念などが残ります。
一方、水素による燃料電池車は、白金などを使うことから高額であること、また純粋水素を供給する充填インフラ整備などが課題となり、日本ではなかなか普及に弾みがつきません。

こうした中、日本初の技術ブレークスルーが進行しています。
水素燃料エンジンの技術開発に取り組むスタートアップ企業 i Labo(アイラボ)です。
環境省の「令和3年度水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」の委託費と補助金を活用して、既存のディーゼルの内燃機関の構造部品を改造し、水素を内燃機の中で燃焼させて駆動させる技術開発です。

太田修裕社長、小澤衛取締役と今井作一郎生産技術本部長より、この技術開発の可能性についてお話を伺いました。

写真左:タンクローリーから水素を取り出す 写真中:今井生産技術本部長 写真右:水素内燃料エンジン

自動車部品産業の蓄積されたノウハウが活用でき、燃料電池スタンドよりも安価でスタンドが設置できる可能性があり、現行のガソリンスタンドとの併設も容易になる可能性があります。
将来的には、水素燃料とディーゼル燃料とのバイフューエルエンジンも可能となる技術です。
このエンジンは、トラック、バス、鉄道などの重量輸送に好都合であり、2050年までの実質カーボン排出をゼロとする目標達成の切り札になることを、私は確信しました。

この技術から目が離せません。

今回の訪問にご尽力いただいた i Labo株式会社の太田社長をはじめ、皆様に心から感謝するとともに、今後の更なるご活躍に期待しております。

 

 

ありがとうございました。

代表理事 増山壽一


企業HP
i Labo株式会社 https://ilabo-corp.com

企業紹介記事
■「内燃機関は死なない」水素活用へ研究者らが起業
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO55629440U0A210C2TM3000/
■水素エンジン、山梨に研究設備を稼働 新興のアイラボ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD116PS0R10C22A7000000/