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トピックス 2022 / 11 / 14

2022年11月11日 スイスのAlmatech社による商用水素EV船の講演が開かれました

この度、当協議会の長山浩章理事のご紹介で、スイスの宇宙・船舶エンジニアリング企業Almatech社にご協力いただき、商用水素EV船の現状と未来を知る講演が開かれました。

東京丸の内にAlmatech SAの共同設立者および同社の船舶事業ZESSTの最高責任者であるDr. Luc Blecha氏と日本市場開拓を担当するビジネス開発マネージャー三崎由美子氏をお招きし、WEB参加の会員を含め約30名が参加する中、日本語と英語を交え1時間30分の講演は終了しました。

写真左:三崎由美子 氏  写真右:Dr. Luc Blecha 氏

Almatech – 会社概要
スイスのハイテク企業Almatechは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の産学連携施設イノベーションパークを拠点に2009年に設立、30名のスタッフ(9割がエンジニア、4割が博士号取得者)が宇宙工学と船舶工学の分野で活躍している。
船舶分野では、世界記録を樹立した高速ヨット「L’Hydroptère号」に技術提供し、水中翼船の動的挙動のシミュレーション、流体構造相互作用の解析、飛行制御のための専用ソフトウェアを開発した。また、ディーゼル船から電気船への脱炭素化エンジニアリングサービスも開始。2018年から社内のリソースのみを基盤にゼロエミ水中翼船ZESSTの開発を進めている。

ZESST – 概要
水中翼を搭載した水素エネルギーによる旅客船ZESSTは、水の抵抗を最小限に抑え、エネルギー消費を85%削減し、巡航速度時速50kmに達する。CO2を排出しないゼロエミ船は、波も騒音も最小限に抑え、生態系を保護するとともに快適な乗り心地を提供する。渋滞した陸路のかわりに水素を燃料とする高速船を利用することで、移動時間やストレスが軽減され、利用者の生活の質が向上する。100席のZESSTの導入が進めば、2028年までに56,000トンのCO2が削減されると予測される。

また、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)への参加を契機に日本に進出する計画が進んでいる。来場者を関西国際空港から会場の人工島・夢洲(ゆめしま)まで送る「水上タクシー」として運用する計画で、船は全長約10メートル、幅4メートル、乗船定員7名、最高速度は時速50キロメートルとし、23年末の完成を予定、24年中に大阪湾などで試験運航することを目指している。

講演資料(PDF)はこちらより
日本語版:ZESST-Blecha-CNMA-Japan-2022JP
英語版:ZESST-Blecha-CNMA-Japan-2022EN